ドローンマッピングで屋根の点検効率が10倍に
ドローンとPix4Dソフトウェアを使用すれば、わずか数分で、計測可能なオンライン3Dモデルを手に入れることができます。このモデルでは要素の位置の特定、距離の計測、面積の計算(壁や屋根の寸法を含む)を行うことができ、アノテーション付きモデルをチームや顧客と共有することもできます。つまり、画像を撮影するだけで、点検する空間の詳しいデータを得ることができるのです。 本記事では、ドローンマッピングによって屋根の点検を効率化した事例をご紹介します。
屋根の点検が必要な理由
普段あまり意識することはありませんが、屋根は定期的なメンテナンスが必要であり、工事に使われることもあります。点検によって、屋上での作業に必要な屋根の計測データを得ることができます。以下に、屋根点検が重要となるケースをいくつか紹介します。ただ し、そのいくつかは屋根施工業界と直接関係のないものです。
1. 住宅のメンテナンスと工事のため
屋根を修理したり点検したりする際には、屋根の谷、棟、隅棟といった部分の正確な寸法と、煙突や換気パイプなどの正確な位置が記載された屋根の詳細図を事前に用意しておく必要があります。このような屋根の寸法値は、建築プロジェクトを正確に計画して施工したり、時間の経過とともに発生する屋根の損傷を修復したりするうえで欠かせないものです。
屋根補修を行う企業にとっては、損傷箇所を適切に把握して補修やふき替えの費用を正確に見積もるためにも詳細なマップは必要です。傷んでいる箇所を補修する前に問題の規模を把握し、補修方法を決定できるよう屋根の点検を行う必要があります。
2. ソーラーパネル設置の準備のため
近年持続可能性の重要性が認知され、家庭でも企業でも住宅や産業用建物の電力を太陽エネルギーでまかなう事例が増えています。ソーラーパネルの設置を手掛ける企業は、ソーラーパネルの設置可能枚数、ソーラーパネルの総出力、プロジェクトに必要な費用、時間、設備を見積もるために、屋根の面積を正確に計測する必要があります。正確な計測結果を得るためには、言うまでもなくソーラーパネルを設置する前に適切な屋根点検を行う必要があります。.
3. 住宅保険と保険金請求のため
竜巻や台風などの自然災害が発生したとき、住宅で最初に被害を受けるのは屋根です。被害を受けた住宅所有者は、屋根の損害に対して保険金を請求する必要があります。このような場合には、保険調査人が物件を訪問して被害状況を調査し、公正な保険金請求額を算出することになります。
自然災害が発生すると、多数の住宅所有者が同じ保険金請求を行うことになります。保険調査人は一軒ずつ住宅の屋根に登って被害額を見積もる必要があるため、非常に時間がかかります。ドローンを使用すれば、数回の飛行で数軒分の点検を1日で済ませることができます。ドローンによる屋根の点検は、作業の安全性を高めるだけでなく、大幅な効率化と正確化を実現します。
ドローンによる屋根調査が推奨される理由
生産性と安全性の向上
ドローンで上空から屋根を点検することで、点検作業を迅速化し、作業中の事故のリスクやクライアントの資産に損害を与えるリスクを減らすことができます。また、ドローンによる屋根点検の測定精度は99.4%と、驚くほど正確です。従来は、屋根に登るための時間と労力に加えて、手作業で多くの測定を行い、正確な写真を撮影することも必要でした。
「今までは1時間がかりの作業でしたが、Pix4Dのおかげで、まったく屋根に登らずに5分で測定が終わるようになりました。Pix4DはPV業界に安全性と生産性の向上をもたらしています」 -Sunergic SA社
Nicolas Vodoz氏
ドローンで撮影後、数分で測定可能な3Dモデルを作成
ドローン技術の進歩に伴い、ドローンを利用したソリューションのためのツールも進歩しています。ド ローンによる屋根の空撮を計画する際には、Pix4Dのドローン飛行計画アプリである PIX4Dscan を使用してマッピングミッションを作成できます。自動フライトにも対応します。フライト終了後、 PIX4Dinspect もしくは PIX4Dcloudに画像をアップロードして、Pix4Dの点検ソフトウェアを使用して数分で3Dモデルを作成できます。このモデルを使用して、寸法の測定や画像による屋根の点検を行うことができます。
プロジェクトの点検、測定、共有のしやすさ
3Dモデルを閲覧したり、要素を特定したり、距離や面積を測定してチームやクライアントと共有したりできます。
モデルを調べて、マーカーを追加して要素の位置を示したり、長さ、高さ、幅、表面積を測定してアノテーションを付けることもできます。屋根に登って手作業で写真を撮影する必要がないため、屋根のレポート作成のワークフローが簡単になり、時間を短縮でき、安全性も高まります。
自動化されたフライトプランを使用して、ドローンで屋根を点検し、正確な3Dモデルを作成できます。3Dモデルを共有すると、受け取った人はそのモデルを使って測定を行ったり、追加されたアノテーションを表示したりできます。とてもシンプルなしくみです。
ドローンでの屋根点検のためのPix4Dのソフトウェアソリューション
Pix4Dmapperフォトグラメトリーソフトウェア
Pix4Dmapperは、業界をリードする多目的フォトグラメトリーソフトウェアです。Pix4Dmapperは、あらゆるカメラやドローンで撮影した画像やビデオから測量レベルの結果を生成することができ、屋根の点検作業に必要な柔軟性と効率性を実現します。
屋根点検用のカスタム処理テンプレートを簡単に作成できるため、プロジェクト全体の所要時間を短縮しながら、高品質なサービスを提供、維持することができます。
PIX4Dscan & PIX4Dinspect による工業検査と資産管理の自動化
PIX4DscanとPIX4Dinspectは目視での点検を簡単にします。データ収集のために設計された飛行アプリPIX4Dscanと処理プラットフォームPIX4Dinspectを使用して、デジタルツインを作成し、目視での屋根点検をより簡単かつ安全にすることができます。さらに世界のどこからでもアクセスすることができます。
PIX4Dscan & PIX4Dinspectのおかげで、屋根の点検は従来の方法よりも速く行われるだけでなく、従来の屋根点検に関連するリスクのほとんどを排除することができるのです。
ドローンマッピング用のPix4Dcloudオンラインプラットフォーム
Pix4Dcloudは、ドローンマッピングのための強力なオンラインプラットフォームです。 特別な機材やソフトウェアを用意しなくても、データセットを迅速かつ正確に処理し、クライアントと 共有できるため、屋根の点検作業の効率を高め、チームのコラボレーションを円滑化することができます。
また、高性能のラップトップがなくても、現場でプロジェクトのデータを処理できます。複数の住宅を同時に点検し、その結果をすぐにクライアントと共有できるため、屋根の点検に非常に役立ちます。