HEA BLO AGR Pix4Dfields 2.9 Release

PIX4Dfields 2.9: よりスマートなAIマジックツール、他!

PIX4Dfields 2.9 では、マジック ツールの改良に加え、水管理データのエクスポート対応、地図上の位置検索機能が新たに追加されました。

マジック ツールの検出精度が向上

2022 年 11 月にリリースされて以来マジック ツールは、高度なマシン ビジョン アルゴリズムによって構造物や雑草、異常を検出できる信頼性の高いドローン画像の解析手段として農業分野において活用されてきました。今回のリリースでは、過去 2 年間にわたりユーザーから任意でご提供いただいたデータをもとに、大幅に改善を加えた新しいバージョンを公開しました。

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PIX4Dfields でマジック ツールが検出したラッカセイ畑でのジョンソン グラスの発生

リリース開始以来、ユーザーから任意でご提供いただいたデータを活用し、マジック ツールは新たにニューラル ネットワーク アーキテクチャを搭載しました。これにより、誤検出を最大で従来の 5 分の 1 まで減らし、作物と雑草の見分けが難しいなどといった状況における検出性能を向上させました。新しいアーキテクチャのもと、継続的な使用によりマジック ツールはさらに成長していきます。 マジック ツールの開発は、ニューラル ネットワーク アーキテクチャの採用によって実現され、次のような改善が実現しました。 ・精度の向上: 誤検出を最大 5 分の 1 と最小限に抑えることで、検出結果の実用上の信頼性が向上しました。 ・複雑なシナリオにおける検出精度の向上: ツールをアップデートしたことにより、検出難易度の高い条件において優れた性能を発揮するようになりました。たとえば、作物と雑草の色が似ていて視覚的に識別が難しい状況において雑草を検出できます。

Sorghum in peanuts - Magic tool
改良された PIX4Dfields のマジック ツール

マジック ツールの新しいアーキテクチャは素早く柔軟に適応できる設計になっており、ユーザーはデータ共有プログラムに任意で参加することもできます。このプログラムへのご協力により、今後のアップデートをより農業現場の具体的ニーズに適した形にカスタマイズすることで、今後も実用的なツールであり続けることができます。

水管理とほ場の整地

効果的な水管理とほ場の整地は農業成功の鍵であり、適切な排水、灌漑、作物の生育を実現を支える基盤です。これらの取り組みは、小麦、トウモロコシ、イネなどの主要作物にとって重要であるのはもちろんのこと、野菜、果物、ブドウなどの精密な灌漑システムを必要とする作物にとっても極めて重要です。数値表層モデル (DSM) は、地形の詳細分析を可能にすることで、効率的な灌漑・排水システムの設計、ほ場の精密な整地、収穫量の低下に繋がる可能性のある水はけの悪い区域の特定に役立ちます。

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作物の生育を支える効率的な水管理を目的としたほ場における灌漑パイプの配置調整: PIX4Dfields における数値表層モデルとオルソモザイクの比較 (左) と同じほ場のドローン空撮画像 (右)

PIX4Dfields の「高精度処理」機能では、リアルタイム キネマティック (RTK)対応のドローン測量を活用し、非常に高精度な数値表層モデル (DSM) を作成できます。RTK 技術がもたらすセンチメートル単位の測位精度は、わずかな高低差が水の流れや作物の健康に大きな影響を与えるほ場の整地や排水設計において最適です。 従来の手動測量や地上型 GPS と異なり、PIX4Dfields を使用したドローン測量では、迅速かつ高解像度なデータ収集が可能でありワークフローの効率化と計画作成の時間短縮に繋がります。

今回のリリースでは、DSM を XYZ 形式や Trimble MultiPlane 形式でエクスポートする機能が追加されました。これにより、Optisurface、Trimble Agriculture (PTx Trimble)、T3RRA Design といったサード パーティ製の整地設計ツールとのシームレスな連携が可能になります。これらのエクスポート オプションはデータ転送の手間を軽減し、農業関係者による測量データの効率的な土地管理ソリューションへの活用を実現し、水利用の最適化と生産性の向上を達成します。

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左図の PIX4Dfields の XYZ パラメーターを備えた数値表層モデル (DSM) は、ほ場の地形を精密に可視化し、水管理の計画と運用を支援します。右図はエクスポート対応の水管理フォーマットです。

詳しくはサポート記事をご覧ください

位置検索や一括インポート/エクスポートなどの新機能

PIX4Dfields でプロジェクトの一括インポートおよびエクスポート機能が追加されました。この機能を使うことで、各プロジェクトがハードディスク上で使用している容量を確認したり、複数のプロジェクトをまとめてエクスポートしたりできます。そのため、古いプロジェクトをアーカイブして空き容量を確保したり、多数のプロジェクトを手軽に共有するのに最適です。また、複数のプロジェクトの一括インポートすることも可能です。 

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PIX4Dfields でのプ ロジェクトの一括インポート (左) とエクスポート (右)

また、地名・郵便番号・GPS 座標による位置検索機能も追加されました。この機能は、PIX4Dfields が位置を自動で検出するため、目的の場所をより素早く特定することができるため、衛星画像のみを使用してほ場の境界を手動で作成する必要があるユーザーにとって特に便利です。

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PIX4Dfieldsで地図上の位置を検索

その他のアップデート: Apple M シリーズ ARM CPU に対応し、処理速度が平均で 32% 向上しました。たとえば、DJI Mavic 3 Multispectral で撮影された 27 GB のデータセットは、Apple M1 を搭載した PIX4Dfields 2.9 では 17.7 分で処理が完了しました。一方、バージョン 2.8 では 30.5 分かかっていました。

  • ルーマニア語に対応しました。
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Mac OS M4 での処理時間が短縮され、高速かつ正確な処理が可能に

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